檻のない分娩舎、親子のコミュニケーション
奥地ほうぼく豚 定期便レポート #001 / 湧太
奥地ほうぼく豚がみなさんの食卓に並ぶまで、だいたい200日〜240日。そのいちばん最初の日がここです。うちには母豚が約90頭、雄豚が7頭いて、1年を通して少しずつお産を始めます。お産が近づくと、母豚は藁を口にくわえて集め、自分で出産のための巣作りを始めます。生まれたては1〜1.5キロほどで、手のひらに乗るくらいの大きさで、1頭の母豚が15頭ほど出産します。
一般的な養豚では、お産のときに母豚を「分娩ストール」という檻に入れます。母豚が寝返りを打ったときに子豚を下敷きにしてしまわないためで、理にかなったやり方です。ただ、そのあいだ母豚は、立つか寝るかしかできません。うちの分娩舎に、その檻はありません。母豚も子豚も、同じ藁の上で一緒に過ごしています。
母豚は自分のタイミングで横になります。子豚たちはわらわらと集まってすぐさま乳首に吸い付き、綺麗に並んでお乳を飲みます。子豚たちは生まれてすぐに自分のおっぱいの位置を決めていて、実は毎回並びは同じです。お腹がいっぱいになると、母豚のそばで団子のようにくっついて眠る。手はかかるけれど、このやり方でよかったな、と思います。
3週間〜1ヶ月ほどで離乳すると、子豚たちは豚舎や放牧地へ移っていきます。